家を買うステップ その3 「契約」

「契約」の流れ
1) 買いたい物件が決定→ホームオープンの時に内装、部屋の構成などを確認する。
2) 住宅ローンを申請する人は、前もって借り入れできる金額を聞いておくように。
3) 物件を管理している不動産会社に直接尋ねてオファー(購入依頼)をだす。
4) 契約書(O&A)に必要事項を記入して、売り主と交渉する。
5) 値段・状態問題なし→交渉成立!条件付の仮契約を結ぶ。
6) シロアリ点検など、家に関する調査、ローンを組む場合には金融機関と手続き、FIRBの認可が必要であれば申請するなど、同時進行でおこなう。
7) 物件に異常がなく、手続きも問題なければ手付金を払って本契約を結ぶ
8) セットルメント・エージェントに登記変更の手続き、金額の支払いをしてもらう。
9) 決済(セットルメント)完了、鍵の受け渡し。マイホーム購入!おめでとうございます。

◇ 購入契約書(Offer and Acceptance)について
オファー&アセプタンス(Offer and Acceptance)とは、購入者側(Purchaser)が希望する金額や購入条件を書いて売り主側(Vendor)にオファーします。その条件を売り主側(Vendor)が承諾すれば、法律的に購入契約となる書類の事です。不動産を購入するときには、必ず書き込む書類です。今回この契約書の説明は簡単にしますが、英語がたんのうなオーストラリア人でも、専門用語が多くて記入できません。通常は不動産会社のセールスマンが詳細を説明しながら書き込んでくれます。あなたはその内容が希望する条件を満たしているのかを確認してからサインをするようにしてください。ですから、信頼できる不動産業者を事前に選んで、一緒に家を探し契約することをお勧めします。
◇ 売買契約書(Contract for Sale of Land by Offer and Acceptance)の説明
オファー・アンド・アクセプタンス(O&A)という書類が、正規の売買契約書となります。
<ザ・バイヤー=The Buyer>…買い主の名前と住所を記入
<スケジュール=Schedule>…購入する不動産の明細
<プロパティー・チャトル・インクルーディング=Puroperty Chattels including>…備え付けの機器、備品などの資産を記入。
<パーチェス・プライス=Purchase Price>…購入希望価格を記入。
<マナー・オブ・ペイメント=Manner of Payment>…購入額の支払い方法を記載。
<セットルメント・デート=Settlement Date>…決済期日
<ファイナンス・クラース・イズ・アップリカブル=Finance Clause is Applicable>…ローンを組む場合、金融機関の第1、第2候補。上から順に、銀行(会社)名、借りられる金額、認可が下りる日時、購入者の署名などを記入する。
<ファイナンス・クラース・イズ・ノット・アップリカブル=Finance Clause is Not Applicable>…現金で購入する場合
<スペシャル・コンディション=Special Condition>…特別約款 契約する時の特別条件(シロアリがいない、FIRBの認可をとるなど)を記入して、ここに書かれた条件がクリアされなかったら、契約を無効にできる。
<パーチェスサー=Purchaser>…購入者 買い主の名前を記入
<ウィットネス=Witness>…証人 証人の名前を記入
<ザ・ベンドー=The Vendor>…売り主 売り主の名前を記入
<パーチェスサーズ・コンバインサー=Purchase’s Conveyancer>…購入者側のセットルメント・エージェントの名前を記載
<ベンドーズ・コンバインサー=Vendor’s Conveyancer>…売り主購入者側のセットルメント・エージェント(決済代理人、弁護士)の名前、住所、Fax番号、サインを記入

この他に、契約をした後に、当事者の署名が必要な書類には次のものがあります。
依頼任命同意書(Appointment to Act as Settlement)
抵当権登記書(Transfer of Land documents)
決済明細書(Settlement Statement)
手続きは、セットルメント・エージェント(決済代理人、弁護士)がおこないますが、金額や内容の間違いがないか、目を通してから署名(Signature)する必要があります。

◇ オーストラリアの住宅ローン
家を買う時、自分の持っている金額では買えなくても、その家を担保にしてお金を借りることができます。これは日本でも同じですが、ローンの返済ができなくなり、家の価値が下がっていた場合、日本ではその差額分を払わなければいけません。しかし、ここオーストラリアでは、ノンリコースという住宅融資ローンを採用しているので、担保である家を渡せばそれでローンはおしまいです。ですから、家の価値が下がることを気にしなくていいのです。また、連帯保証人も必要ないなど、日本とは違って安心してローンを組むことができます。
◇ ローンを組むところは?
大きく分けて、銀行と住宅ローン専門会社の2つがあります。
1. 銀行
信頼性が高い。オンライン化が進んでいるのでスピーディな契約ができる。定期収入や過去の返済経歴などについて、厳しい審査がある。
2. 住宅ローン専門会社
銀行より金利を低めに設定していたり、住宅ローン維持費用も銀行より低くなっているところが多い。審査基準は銀行に比べて易しい。
◇ 金利の種類は?
金利には、大きく別けて、変動金利と固定金利の2種類あります。
1. 変動金利
その時の経済状態によって金利が上下するので、月々の返済金額が変わることがあります。その月の金利によっては損をすることも。しかし、月々の返済額以上の金額を返済し、ローンを早く返すことできます。
2. 固定金利
契約した時の金利で、月々返していきます。経済状況によって金利が上がる心配はありませんが、月々の返済額を増やすことはできないので、契約した返済期間より早く終了することはありません。

ローンを組む手順
1. 頭金、印紙税、名義変更等にかかる費用を準備する
2. 金融機関に行って、いくら借りられるか確かめる
3. 物件が決まったら、必要な書類を揃えて契約を交わす

住宅ローンのサービス(主に変動金利)
<インタレスト・オフセット=Interest Offset>…住宅ローンとは別に持っている口座の利子が、ローンの返済にまわされる。
<リドロー・ファシリティー=Redraw Facility>…月々の決められた額以上の返済をした場合、差額を引き出せる。
<ライン・オブ・クレジット=Line of Credit>…ローン返済中、決められた額まで借りることができる。

不動産取引でお世話になるのは
◇ 金融機関(Bank / Home Loans)
物件を購入するとき時に、お金を貸してくれるだけではなく、家の査定調査もおこないます。

◇ 不動産会社(Real Estate Agent)
売り主と買い主の間に立って売買交渉をするだけではなく、賃貸物件の管理もおこないます。

◇ ファイナンシャル・プランナー(Financial Planner)
銀行に直接行く前に、一度相談することをお勧めします。家まで来て相談に乗ってくれるし、面倒な書類申請など代わりにやってくれたり、至れり尽くせり、しかも費用は一切かかりません。

◇ 査定会社(Valuation)
自分の持ち金で一括払いする人は、査定会社に頼んで家の調査をしてもらいます。
住宅融資ローンを金融会社で組んだ場合、金融会社の負担で査定調査をおこないます。査定検査の費用は、通常、査定価格からゼロ3桁を取った価格といわれます。

◇ 決済会社(Settlement Agent)
登記書の名義変更などを代行する専門業者で、主に、買い主が払う必要な金額を計算や、家の名義変更の手続き、登記書に書かれてある条件の調査をします。
弁護士がおこなう仕事でもありますが、WA州では決済会社に頼むことの方がポピュラーです。なぜなら、セットルメント・エージェントの方が、不動産の名義変更に特化しているので経費が安く、確実に名義変更をおこないます。

契約の注意
家を買う前に、その物件の利用条件や状況が書かれてある、「Title Document(権利書)」「Drainage Diagram(排水図表)」「Zoning Certificate(区画証明書)」の内容を確かめておきましょう。これらは契約書とセットになっていて、この書類に書かれている条件によっては、建物の色の変更や、建て増しなどができない場合があります。「Zoning Certificate(区画証明書)」はそれぞれの市役所に行けば無料でくれるので、参考までに事前にもらっておくのもいいかもしれません。

<こんなことにも注意!>
・ 家を買う時は、必ず自分の名義で買いましょう。中古物件を買いたいからといってオーストラリア人や永住権を持っている人の名義を使うと、大きなトラブルの元になります。
・ オーストラリアでは買い主が不動産会社に仲介料を払うことはありません。そのようなことを言ってきた会社は避けた方がいいでしょう。ただし、翻訳、通訳の費用は別途で請求する場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。
・ 日本よりハードルが低いと言っても、家を買うにはそれなりの金額がかかります。「慌てて決めなきゃ良かった」とならないように、余裕を持って家探しをしましょう。
・ オーストラリアではシロアリの被害報告が多く出されています。契約書のスペシャル・コンディション(特別約款)に、「シロアリ検査」という条件を入れることをお勧めします。
・ 不動産業者によっては、海外の人に物件を販売した経験が無いとFIRBの申請方法や規定を知らない人もいますので、FIRBの申請をすることを事前に確認をしてから、購入オファーを出してください。